白州のすすき

そろそろ、すすきの穂も伸びてきているころだろうか。わたしのすすきのイメージは細いひものようなものだったが、去年白州でみたすすきは、今までのイメージを変えるものだった。
 去年の十月下旬の白州で、真っ白なふわふわした噴水のようなすすきが日差しをうけて、ゆさゆさと風に揺れているのに感動した。
 白州は、日本名水100選の一つで、サントリーの「南アルプスの天然水」やコカ・コーラの「森の水だより」などのミネラルウォーターの水源に使われていることで有名だ。特にサントリーはその他の飲料やお酒にも力をいれ、ウィスキーの「白州」など白州にちなんだお酒を製造、販売している。
 白州を車でドライブすると、なだらかで自然が豊かで、すすきもところどころに生えていて、とても風光明媚なところだった。そして、ところどころに、岩肌の美しい崖がみえる。
 その崖をもう少し、注意深く見ると、意外と険しい山になっており、白州を取り囲んでいる。とても人のすめるような山ではなかった。山越えも容易ではないだろう。この険しい山が白州の水を守り、その水源を守っているのだと思った。
 白州のおいしい水は特殊な地形で育まれたものなのだ。 そして、白州のすすきはその澄んだ雨と土壌で育まれ、豊かな水で生き生きと育ち、今美しい白い穂を開く。美しい綿毛を風にのせてその種を運ぶのだろうか。