じゃま猫のふて寝


本や新聞を読んでいたり、ときにはパソコンを使っているときでさえ、ペットの飼い猫がその上にどんと乗っかって、じゃまをしてくることがある。私はそれほど経験がないけれど、人がそんな話をしていたら、「いいなぁ、そんなになついている猫がいて…」と心の中で思ってしまう。きっとかわいいだろうなぁ、と想像する。でも実際自分がじゃまされたときは、けっこう真剣に勉強しようとか思っているときだったりして、邪魔をされるとそのあと集中できなくてイライラする。
 そんなことを思い出したのは、心の中にじゃま猫が住み着いているような気がしたのかもしれない。何か作業をしようとしているときに、実際それをやめなくてはいけないような用事があったり、時間がなかったりということもあるけれど、心のなかにじゃま猫が住み着いていてはかどらないときもあるのだ。
 こういう心の状態はとくに珍しいことではなくて、子供の頃からこういう体験はよくするのかもしれない。たとえば、ピアノを上手に弾けるようになりたいとか、本をたくさん読もうとか、スポーツが上手になれるように練習しようとか、数えたらきりがないかもしれない。何かを挑戦しようとして、なぜが気が乗らなかったり、試してもうまくならなかったり…そのなかには、自分に向いていないということもあるのかもしれなけれど、なにかの邪魔があったときに、うまく集中できなくなるようなことなのかもしれない。
 子供のときは、何かとじゃまが多くて、子供なのでそれをうまく解決できないし、うまくできないときに、かえって怒られたりとさんざんだった思い出が多い。今でもそのときのことを思うと、くやしくて涙がでたりするときもある。何かがうまくできるようになるには、それなりの積み重ねや、その積み重ねを繰り返しをしやすいような環境、そしてうまくいった思い出などなど、そのことを考えると楽しくなるようなそんなものが必要なのだと思う。